患者さん・ご家族・医療関係者の話

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の方やそのご家族のお話、診療に携わる医療関係者のお話を紹介します

恩田聖敬さん
ALS治療の新しい時代に思う~当事者として、日本ALS協会会長として~

2024年12月27日に、私たちが切望し、粘り強く活動を続けてきた初めての根本原因に働きかけるALS治療薬が承認されました。今後、SOD1遺伝子変異以外のALSの原因究明につながると思います。また、対象患者さんにとっては大きな希望となるので1人でも多くの方が投与を受けてほしいです。現在ALS治療薬候補は日本を含めて世界中で多く研究されています。これはかつてない数になっています。ALS治療薬のステージは間違いなく新たな局面に来ています。私が罹患した11年前と比べると隔世の感があります。近い将来、進行を止める薬や更に進めば根治薬も夢ではないと思います。

藤田美佳子さん~ALSが進行しても、ただただ妻であり、母でありたい~

みかさんが身体の異変に気づいたのは10年前。趣味も仕事も、そして妻として、母として充実した人生を送っていたさなかでした。
ALSの診断を受けた8年前、夫と娘と3人で大泣き。自分のことで家族に迷惑をかけてしまう、娘にしてあげることが減ってしまう、と悲しみました。
そんな中、娘から「お母さんはいてくれるだけで大丈夫」と言われたことが支えというみかさん。
今は「分身ロボットカフェ」で自宅からロボットを操作して、接客をしたり、バリスタとして働いています。
夢はかさばらないのでたくさん持っておきたい、というみかさんを是非ご覧ください。

竹永亮太さん~ALSとともにできる限り教壇に立ち続けたい~

ALSの遺伝子検査の結果を受けた頃に聴いた日明小学校合唱部の美しい歌声。
小学校の教員としてこんなに素敵な子どもたちに関われる仕事なのに、それができなくなるのだと思った時に、悲しくて涙があふれたという竹永亮太さん。
奇遇にも日明小学校に異動することとなり、合唱部の顧問となりました。
しかし、合唱部の顧問を始めた頃から、ALSの症状が進行。
家族に支えられながら、子どもたちの夢である合唱の全国大会に出場すべく奮闘し、3年連続で全国大会に出場という快挙を遂げ続けています。
竹永さんのALSと教員としての仕事への向き合い方をご覧ください。

狩野修先生
患者中心の医療体制の構築を目指して

狩野先生は、将来のALS臨床試験や治療薬の開発を促進するため、2017年に東邦大学においてALSの専門外来「ALSクリニック」を開設されました。さらに、2020年にはアジアで初めて、北米のALSコンソーシアムであるNEALS(Northeast ALS Consortium)に加盟し、施設認定を受けました。また、2017年より毎年、患者会「ALS Café」を開催し、患者さん・ご家族との対話を重ねてこられました。そして2025年からは、患者・市民を研究支援者(リサーチ・アドボケート)として育成する新たなプログラムも始動予定です。

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