社会保障制度について

ALSの方が利用できるサービスには「指定難病の医療費助成」など医療費をサポートするもの、「障害者手帳」や「障害者総合支援法」「雇用保険」などの日常生活(くらし)や社会生活をサポートするものなど、さまざまな制度があります。ここでは主な制度やサービスをご紹介しています。
※本サイトに記載した内容は、2026年5月時点の情報に基づいています。



監修
独立行政法人大阪府立病院機構 大阪急性期・総合医療センター
大阪難病医療情報センター
難病診療連携コーディネーター
野正 佳余

目次

 

1.はじめに
①はじめに
②難病と指定難病について

2.医療費をサポート
①医療費の助成を受ける
②指定難病の医療費助成
③重度心身障害者医療費助成
④高額療養費制度
患者さんとご家族からよく受ける相談

3.日常生活(くらし)をサポート
①障害者手帳
②介護保険
③障害者総合支援法
④日常生活用具・補装具給付事業
⑤就労支援
⑥サービスを探す・相談する
⑦外出や移動に関する情報
⑧災害対策
患者さんとご家族からよく受ける相談

4.社会生活(就労・経済)をサポート
①就業が困難なとき
(傷病手当金、長期休業・退職時の保障、障害年金、生活保護、生命保険)
②離職・求職しているとき
(雇用保険)
③生活や仕事が制限されているとき
(税金の控除、交通運賃割引、各種手当)
④障害の状態に応じて利用できる制度
(障害者手帳、特別障害者手当、重度心身障害者手当など)
患者さんとご家族からよく受ける相談

1.はじめに

 

①はじめに

筋萎縮性側索硬化症(ALS)と診断された方は、医療や日常生活、社会生活における様々な場面で社会保障制度を利用することができます。あらかじめ利用できる制度を知っておくことは、医療や生活に関する悩みや不安を和らげ、安心して療養生活を送るための一助となる可能性があります。

本ページでは、ALSと診断された方が利用できる主な制度を整理して、ご紹介します。
制度の利用を検討される際は、医療機関の主治医やソーシャルワーカー、お住まいの都道府県・市区町村の保健所(難病の相談窓口)などに、早めに相談をしてみてください。

②難病と指定難病について

難病とは
難病とは、発病の機序があきらかではなく、治療方法が十分に確立していない希少な疾患で、長期にわたる療養が必要になるものと定義されています。

このような特性から、医療面だけでなく生活面での支援が重要とされています。

指定難病とは
指定難病は、難病の中でも、国が医療費助成の対象として定めている疾患です。
患者数が一定数に達しないことや、診断のための基準が明確に定められていることなど、いくつかの条件を満たした疾患が指定されています。
指定難病に該当する場合、申請を行うことで医療費助成制度を利用できることがあります。

ALSと指定難病医療費助成制度
ALSは、国が定める指定難病の一つです。
診断基準を満たし、所定の手続きを行い、認定を受けることで、指定難病の特定医療費助成制度を利用することができます。

難病の患者に対する医療等に関する法律
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=80ab4067

2.医療費をサポート

 

①医療費の助成を受ける

難病と診断された後の、支援制度の利用までの流れ

申請が認められると、医療費助成や各種サービスを利用できるようになります。
生活や体調の変化に応じて、利用する制度を見直すことも可能です。

※どの制度が利用できるかは、心身の状態や年齢などによって異なります。
迷ったときは、医療機関の主治医や医療ソーシャルワーカー、またはお住まいの地域の保健所(難病の相談窓口)や市区町村の障害福祉・介護保険などの担当課へ相談してください。

②指定難病の医療費助成

ALSは、指定難病の対象疾患に含まれています。
医師が作成する臨床調査個人票の内容に基づき、一定の基準(重症度分類など)を満たす場合や、医療費が高額となる場合には、申請手続きを行うことで、指定難病医療費助成制度を利用できます。

対象となる医療:
指定難病に関する医療のうち、指定医療機関で行われた保険医療を利用した自己負担分が助成の対象。

自己負担金:
医療費の自己負担割合は原則2割です。
自己負担額には、世帯の所得に応じた月ごとの上限額が設定されています。
入院・外来・訪問診療などを含めた自己負担額が対象。

医療費助成における自己負担上限額(月額)(単位:円)

階層区分 階層区分の基準
()内の数字は、夫婦2人世帯の
場合における年収の目安
自己負担上限額(外来+入院)
(患者負担割合:2割)
一般 高額かつ長期 人工呼吸器等装着者
生活保護 0 0 0
低所得Ⅰ 市町村民税
非課税(世帯)
本人年収
〜80.9万円
2,500 2,500 1,000
低所得Ⅱ 本人年収
80.9万円超〜
5,000 5,000
一般所得Ⅰ 市町村民税課税以上7.1万円未満
(約160万円〜約370万円)
10,000 5,000
一般所得Ⅱ 市町村民税7.1万円以上25.1万円未満
(約370万円〜約810万円)
20,000 10,000
上位所得 市町村民税25.1万円以上
(約810万円〜)
30,000 20,000
入院時の食費 全額自己負担

※「高額かつ長期」とは、月ごとの医療費総額(10割)が5万円を超える月が年間6回以上ある場合をいいます。

申請に必要な書類:
申請書/臨床調査個人票/住民票/世帯の所得を確認できる書類(課税証明書など)/健康保険証等/同意書など。

有効期間:
原則1年以内  ※継続して利用する場合は、毎年更新手続きが必要です。

問い合わせ先:
お住まいの地域の保健所(政令市の場合は、お住まいの区の保健センターなど)の窓口。

▶各担当窓口は、難病情報センターのホームページをご覧ください。
https://www.nanbyou.or.jp/

③重度心身障害者医療費助成

心身に重度の障害のある方を対象に、医療保険を利用した医療費の自己負担分を助成する制度です。
ALSにより身体障害者手帳の交付を受けている場合、等級やお住まいの市町村の基準に応じて、対象となることがあります。
なお、市区町村によっては所得制限がある場合や、いったん医療費を支払い、後から払い戻される仕組みとなる場合があります。

対象となる医療:
歯科治療やけがの治療など、医療保険を利用したあらゆる医療。

自己負担金:
市町村によって異なる。

申請に必要な書類:
申請書、健康保険証等、身体障害者手帳 など。

有効期間:
市区町村によって異なる。

問い合わせ先:
お住まいの市区町村の障害福祉部門が窓口。

④高額療養費制度

長期の入院や手術などで医療費が高額になった場合に、自己負担を軽減する制度です。
1カ月(毎月1日から月末まで)ごとに医療機関や薬局の窓口で支払った医療費が、一定の自己負担限度額を超えた場合、その超えた額が払い戻されます。
限度額適用認定証を提示すると、同一の医療機関の窓口での支払いは、ひと月あたりの負担は上限額の範囲になります。
複数の医療機関を受診した場合の合算や多数回該当のしくみ、公費負担医療との関係などがあり、制度の内容はやや複雑です。

対象の医療:
保険診療にかかる自己負担額。
※入院時の食費や差額ベッド代は含まない。

自己負担金:
所得に応じたひと月あたり負担の上限額や、該当回数に応じたひと月あたり負担の上限額が定められています。
69歳以下の方の自己負担限度額:

適用区分※1 ひと月の負担の上限額
年収約1,160万円〜 健保:標準報酬月額83万円以上 252,600円+(医療費ー842,000円)×1%(多数該当:140,100円)
国保:旧ただし書所得901万円超
年収約770万円〜約1,160万円 健保:標準報酬月額53万〜79万円以上 167,400円+(医療費ー558,000円)×1%(多数該当:93,000円)
国保:旧ただし書所得600万円〜901万円
年収約370万円〜約770万円 健保:標準報酬月額28万〜50万円以上 80,100円+(医療費ー267,000円)×1%(多数該当:44,400円)
国保:旧ただし書所得210万円〜600万円
〜年収約370万円 健保:標準報酬月額26万円以下 57,600円(多数該当:44,400円)
国保:旧ただし書所得210万円以下
住民税非課税者※2 35,400円(多数該当:24,600円)

※1健康保険の標準報酬月額は58,000円から1,390,000円までの50等級に区分。国民健康保険の「旧ただし書所得」は、前年の総所得金額、山林所得金額、株式・長期(短期)譲渡所得金額等の合計から基礎控除額33万円を控除した額。
※2健保では被保険者が市区町村民税非課税の場合、国保では世帯主と世帯の被保険者全員が市区町村民税非課税の場合などが該当。

70歳以上の方の上限額:

所得区分 外来(個人ごと) ひと月の上限額
(世帯ごと)
現役並み 年収約1,160万円〜 標報83万円以上/課税所得690万円以上 252,600円+(医療費ー842,000円)×1%
年収約770万円〜約1,160万円 標報53万円以上/課税所得380万円以上 167,400円+(医療費ー558,000円)×1%
年収約370万円〜約770万円 標報28万円以上/課税所得145万円以上 80,100円+(医療費ー267,000円)×1%
一般 年収156万円〜 約370万円 標報26万円以下/課税所得145万円未満 18,000円(年14万4千円) 57,600円
住民税非課税等 Ⅱ住民税非課税世帯 8,000円 24,600円
Ⅰ住民税非課税世帯 年金収入80万円以下など 15,000円

注 1つの医療機関等での自己負担(院外処方代を含みます)では上限額を超えないときでも、同じ月の別の医療機関等での自己負担を合算することができます。この合算額が上限額を超えれば、高額療養費の支給対象となります。

出典:厚生労働省(高額療養費制度を利用される皆さまへ)
https://www.mhlw.go.jp/content/000333280.pdf

申請に必要な書類:
申請書、健康保険証等、医療機関等の領収書など。

問い合わせ先:
ご自身が加入している医療保険制度の保険者(全国健康保険協会や健康保険組合などの健康保険事業の運営主体)や医療機関の医療ソーシャルワーカーが窓口。

限度額適用認定証

ひと月の医療費が高額になることが見込まれる場合に、事前に申請しておくことで、医療機関の窓口での支払いを、あらかじめ定められた自己負担限度額までに抑えることができる制度です。

対象の医療:
医療保険を利用した自己負担額。
※入院時の食費や差額ベッド代は含まない。

申請に必要な書類:
申請書、健康保険証等など。
※加入している医療保険や市区町村により異なる場合があります。

問い合わせ先:
ご自身が加入している医療保険制度の保険者(全国健康保険協会、健康保険組合、市区町村の国民健康保険)が担当窓口。

※マイナ保険証を利用している場合、医療機関や薬局によっては限度額適用認定証の提示が不要となることがあります。
詳しくは、加入している医療保険の窓口や医療機関にご確認ください。

世帯合算

同じ医療保険に加入している同一世帯の方が、1カ月の間に複数の医療機関を受診した場合、それぞれの自己負担額を合算して、高額療養費の対象となるかを判断することができます。
合算の対象や条件は、年齢や所得区分などによって異なります。

多数回該当

高額療養費の支給を、直近12カ月間で3回以上該当した場合、4回目以降は、ひと月あたりの自己負担限度額が引き下げられます。
医療費の支払いが継続する場合、負担を軽減する仕組みです。

患者さんご家族からよく受ける相談

ALSと診断されたばかりの方から多く寄せられるのが、「これから医療費がどれくらいかかるのか分からない」「制度があるのは知っているけれど、どこに申請すればいいのか分からない」といった声です。

指定難病の医療費助成については、申請先が都道府県なのか、市区町村なのか分からない、更新はいつ必要なのかといった「手続きの入り口」でつまずく方が少なくありません。

また、「指定医はどこにいるのか」「今通っている病院で診断書(臨床調査個人票)を書いてもらえるのか」といった、主治医との関係や医療機関の選び方に関する相談も多く聞かれます。

制度を知っていても、「この情報をどう活用すればよいのか分からない」という不安を抱える方も少なくありません。

医療費の負担を軽減する制度には、指定難病の医療費助成制度や高額療養費制度などがあり、症状の程度や医療の受け方に応じて、組み合わせて利用される仕組みになっています。
どの制度が優先されるのか、申請までの間の対応などについては、早い段階で相談することが大切です。

「こんなことを聞いてもよいのかな」と迷ったときは、一人で抱え込まず、主治医、医療ソーシャルワーカー、保健所の保健師、難病相談支援センターの相談員などに相談をしてみてください。
制度を知るだけでなく、「利用するための相談」が、安心して療養生活を始めるための第一歩になります。

3.日常生活(くらし)をサポート

 

①障害者手帳

障害の程度を公的に証明する手帳で、障害福祉サービスなどの各種制度を利用する際の基準となります。
身体障害者福祉法に基づき、定められた障害の種類や程度に該当する方に交付されます。

ALSのある方では、主に肢体不自由(上肢・下肢・体幹の障害)や呼吸機能障害などにより、身体障害者手帳の対象となることがあります。申請から交付までに時間を要する場合があるため、必要に応じて、早めに申請しておくことが大切です。

主なサービス:
障害の程度により1級から6級(1級が最も重い)までの等級に分かれており、等級によって利用できるサービスや支援の内容が変わることがあります。
身体障害者手帳(1級~6級)の交付を受けている方は、障害者雇用制度における身体障害者として、雇用率制度や各種支援の対象となる場合があります。

  • 所得税・住民税・相続税などの障害者控除、相続税・贈与税の非課税、自動車税・自動車取得税・軽自動車税の減免
  • マル優制度(少額貯蓄非課税制度)の利用
  • 高速・有料道路の通行料金の割引
  • 駐車禁止除外指定票の交付
  • 鉄道・バス・船舶・国内線航空運賃の割引、マイカーの燃料費助成、コミュニティーバスの無料乗車券の交付
  • タクシー料金の割引、タクシー券の支給
  • 放送受信料の減免
  • 水道料金・下水道料金の免除
  • 携帯電話料金の割引
  • 公営住宅への優先入居
  • 無利子ないし低利子の資金貸付
  • 入園料や駐車料金の減免など

有効期間:
身体障害者手帳には原則として有効期限の定めはありませんが、障害の程度が変化した場合には、等級変更の手続きが必要です。
また、再認定の対象者となっている場合は、定められた期日までに再認定の申請手続きを行う必要があります。

申請に必要な書類:
申請書、身体障害者福祉法の指定医による診断書・意見書、写真など。

問い合わせ先:
お住まいの市区町村の障害福祉担当部署が窓口。

②介護保険

日常生活において、支援や介護が必要になった場合に利用できる制度です。
心身の状態に応じて、訪問介護や通所サービスなどの在宅サービスや、施設サービスなどを受けることができます。

※65歳以上の方、または40歳から64歳までで特定疾病(ALSなど)に該当し、要介護認定を受けた方が対象です。

主なサービス:
訪問介護、訪問看護、通所サービス、短期入所(ショートステイ)、福祉用具の貸与、住宅改修など。

自己負担金:
原則1割
※所得に応じて、2割または3割となる場合があります。

申請の流れ:
お住まいの市区町村の介護保険担当部署に申請し、要介護(要支援)認定を受けます。
その後、ケアマネジャーなどがケアプランを作成し、サービスの利用が開始されます。

問い合わせ先:
お住まいの市区町村の介護保険部署が窓口。

③障害者総合支援法

障害のある方が、その人らしく地域で自立した生活を送ることができるよう、必要な福祉サービスや支援が利用できる制度です。
サービスの内容や利用条件は心身の状態、生活状況に応じて決定されます。

※40歳以上64歳までのALSの方の場合には、原則として介護保険が優先されます。
介護保険で不足する部分について障害福祉サービスを利用します。

●障害者総合支援法(介護給付)

日常生活において介護が必要な場合に利用できるサービスです。
心身の状態に応じて、在宅での支援や短期入所などのサービスを利用することができます。
利用にあたっては、市区町村による障害支援区分の認定が必要です。
※18歳未満の場合は、市区町村が支給の要否や支給量を決定します。

主なサービス:
居宅介護(ホームヘルプ)、重度訪問介護、重度障害者等包括支援、短期入所(ショートステイ)など。

自己負担金:
原則1割。
※所得に応じて、月ごとの自己負担上限額が定められています。

問い合わせ先:
お住まいの市区町村の障害福祉担当部署が主な窓口。
また、障害者基幹相談支援センターや相談支援事業所などが相談窓口。

●障害者総合支援法(地域生活支援事業)

障害のある方が、地域で安心して生活を続けられるよう、市区町村が主体となって実施している支援事業です。
内容はお住まいの市区町村ごとに異なります。

主なサービス:
移動支援、同行援護、日中一時支援、意思疎通支援、相談支援など。

自己負担金:
市町区村によって異なります。

問い合わせ先:
お住まいの市区町村の障害福祉担当部署が窓口

④日常生活用具・補装具給付事業

日常生活を送るうえで必要となる用具や補装具について、給付や貸与を受けられる制度があります。
心身の状態や生活状況に応じて、利用できる品目が定められています。

主な品目:
移動や姿勢保持を補助する用具、意思疎通を支援する機器、排泄や入浴などの日常生活を支える用具など。

自己負担金:
原則1割。
※所得区分や品目により、月ごとの自己負担上限額が定められています。

問い合わせ先:
お住まいの市区町村の障害福祉担当部署が窓口。

⑤就労支援

障害のある方が、治療と仕事を両立しながら働くことができるよう、さまざまな就労支援制度やサービスがあります。
障害や難病を持ちながら、病期や体調に応じて、一般就労(一般企業への就職)、障害者雇用、福祉就労など、多様な働き方を選択することができます。

就労移行支援 一般企業などで働くことを希望する方に就労に必要な訓練を行ったり、求職活動の支援などを行う
就労継続支援A型
(雇用型)
一般企業で働くのが難しい方に、雇用契約を結んで就労や生産活動の機会を提供し、就労に必要な知識・能力向上のための支援を行う
就労継続支援B型 通常の事業所での就労が難しい方に、雇用契約を結ばず、就労の機会や生産活動の機会を提供し、就労に必要な知識・能力向上のための支援を行う
就労定着支援 就労移行支援や就労継続支援などを利用した方が就労後に課題が生じた場合に、企業や関係機関と連絡調整し、課題の解決を目指して支援する

自己負担金:
原則1割
※所得に応じて、月ごとの自己負担上限額が定められています。

問い合わせ先:
お住まいの市区町村の障害福祉担当部署が窓口(福祉就労の場合)。

⑥サービスを探す・相談する

●在宅・入所サービスを受ける
在宅での生活を続けたい場合や、状況に応じて入所サービスを検討する場合には、利用できるサービスや施設の情報を確認し、相談しながら進めていきます。

●障害福祉サービスなど情報検索
独立行政法人福祉医療機構によるウェブサイトで、障害者総合支援法及び児童福祉法に基づくサービスを実施している全国の事業所を紹介しています。

独立行政法人 福祉医療機構WAM NET障害福祉サービス等情報検索
https://www.wam.go.jp/sfkohyoout/COP000100E0000.do

⑦外出や移動に関する情報

車いすやストレッチャーを利用している方が移動する際にサポートが得られるサービスをご紹介します。
移動の手段をサポートするサービスと、外出時に一緒に行動してくれる支援を利用することができます。

●一般財団法人全国福祉輸送サービス協会
福祉輸送車両(車いす専用車、寝台車及び車いす寝台兼用車、福祉バス)で事業を行う事業者による団体で、車いすや寝台に乗ったまま利用できる福祉輸送車両を利用したいときに、ウェブサイトで福祉輸送を行っている事業者の連絡先や保有車両を検索することができます。

一般財団法人全国福祉輸送サービス協会
https://www.zenfukukyo.jp/index.html

●JR(新幹線を利用するとき)
新幹線の車いす対応座席や多目的室を利用する場合は、事前の申し込みが必要です。

車いす対応座席 多目的室
利用の可否 申し込み
JR北海道 駅に直接または電話で申し込む。北海道・東北新幹線の場合はウェブサイトでも申し込みができ、その後予約状況について電話で連絡がくる。   駅に直接または電話で申し込む。※利用にあたっては条件があるため駅に問い合わせる。
JR東日本 みどりの窓口に直接または電話で申し込む。ウェブサイトでも申し込みでき(乗車・降車、購入駅は一部駅に限られる)、その後申し込み結果について電話で連絡がくる。   利用にあたっては使用条件があるため駅に問い合わせる。
JR西日本 車内で利用できる大きさに制限がある。(長さ及び高さ120cm、幅70cm程度)駅やサポートダイヤルに相談すれば個別の内容を聞いて、対応してもらえる。
サポートダイヤルなどについてはこちら:
【おからだの不自由なお客様へ】 https://www.jr-odekake.net/railroad/service/barrierfree/
JR九州 みどりの窓口に直接または電話で申し込む。九州新幹線各駅、博多駅、小倉駅から出発する場合はウェブサイトでも申し込みでき(乗車・降車、購入駅は一部駅に限られる)、その後申し込み結果について電話で連絡がくる。   みどりの窓口に直接または電話で申し込む。ウェブサイトでも申し込みできる(条件は車いす対応座席と同じ)。

各社への問い合わせにより作表(2025年3月現在)

●航空会社(航空機を利用するとき)
車いすやストレッチャーを利用している方が航空機を利用される際の手続き・流れについてご紹介します。

日本航空 (JAL)
車いすを利用している方

予約時 車いすの情報(手動(自走)タイプか電動タイプか、折り畳みの可否、サイズ、重さなど)を提供する。座席を指定する。その他、空港や機内で必要なお手伝いがあれば予約時に相談する。
搭乗手続き時 車いすを預ける場合、必要なお手伝いや車いす取り扱い方法、当日の体調などの確認に時間がかかる場合があるため、時間に余裕を持って空港へ到着する。(目安:国内線出発1時間前、国際線:出発2時間前程度)電動車いすの場合は、バッテリーが航空輸送制限品のため、種類の確認が行われる。
搭乗時 機内準備が整い次第はじめに機内に搭乗できる事前改札サービスが利用可能。
料金 12歳以上で、身体障害者手帳などを持っている方と、同じ便に搭乗する介護者1名までは障がい者割引が利用できる。また、その他各種割引運賃も利用できる。車いすの預かりは無料。

機内のストレッチャー(簡易ベッド)を利用する方

予約時 航空会社所定の診断書を提出し、ストレッチャーの在庫や関連する便の座席の確保、医療機器の確認などを行ったうえでストレッチャー利用の可否が決まる。
締切 便出発48時間前まで
搭乗時・到着時 搭乗時は一般の乗客より先に機内に搭乗できる。到着時は一般乗客の降機後の降機となる。
料金 12歳以上で、身体障害者手帳などを持っている方と、同じ便に搭乗する介護者1名までは障がい者割引が利用できる。各種割引運賃も利用できる。ストレッチャーを利用する方、付添人などの航空券とは別途にストレッチャー料金がかかる。ストレッチャー料金は路線により異なる。

日本航空への問い合わせにより作表(2025年3月現在)

問い合わせ先:お手伝いを希望されるお客さま専用デスク(プライオリティ・ゲストセンター)
0120-747-707(無料)03-5460-3783
受付時間:9:00~17:00 年中無休

全日空 (ANA)
車いすを利用している方

予約時 「歩行状況チェックシート」を用いて、歩行の状況と車いすの利用状況、車いすの情報(折り畳みの可否、サイズ、重さなど)を提供し、座席を指定する。※車いすの大きさによっては貨物室に預けられない場合もある。
搭乗手続き時 原則、搭乗手続き時に車いすを預け、空港用の貸し出し車いすを利用する。電動車いすで、バッテリーの目視確認ができない場合は、バッテリーの種類がわかるもの(取り扱い説明書など)を持参する。
料金 12歳以上で、身体障害者手帳などを持っている方と、同じ便に搭乗する介護者1名までは障がい者割引が利用できる。※詳細はANAのウェブサイトでご確認ください。

機内のストレッチャー(簡易ベッド)を利用する方

予約時 希望便について申し込み、座席の確保などの確認後に利用の可否の連絡がある。搭乗日の数日前までに航空会社指定の診断書を送っておく。
搭乗手続き時 搭乗時は一般の乗客より先に機内に搭乗できる。到着時は一般乗客の降機後の降機となる。
料金 お客様運賃のほかにストレッチャー料金が必要となり、料金は申し込み時に確認できる。

全日空への問い合わせにより作表(2025年3月現在)

問い合わせ先: ANAおからだの不自由な方の相談デスク
0120-029-377(無料)0570-029-377
受付時間:9:00~17:00 年中無休

●バリアフリー情報
みんなでつくるバリアフリーマップWheeLog! アプリ

一般社団法人WheeLogが運営するバリアフリーマップアプリで、車いすを利用される方からの投稿や各地域のバリアフリー情報を反映しています。
車いすで走行したルートや利用したトイレ・レストランなどのバリアフリー情報がマップ上で共有されています。
リンク先:WheeLog!(アプリは無料でダウンロードできます)https://www.wheelog.com/

らくらくおでかけネット
交通エコロジー・モビリティ財団が運営するウェブサイト「らくらくおでかけネット」では、鉄道駅や空港ターミナルなどの車いすでの移動情報や車いす対応トイレの有無などの情報が掲載されています。
駅名などで情報を検索することができ、駅構内図やターミナル構成図を確認することもできます。

らくらくおでかけネット
https://www.ecomo-rakuraku.jp/ja

⑧災害対策

地震や台風などの災害は予測が難しく、在宅で療養している方や医療機器を使用している方にとっては、事前の備えがとても重要になります。

停電や避難が必要になった場合に備え、電源の確保や連絡手段の確認、支援を受けられる体制づくりなどについて、日頃から確認しておくことが大切です。

災害時の対応や備えについては、市区町村や医療機関が作成している手引きや情報を参考にしながら、主治医、訪問看護師、ケアマネジャー、保健師、市区町村の危機管理部署などの地域の支援者とともに、相談しながら、準備を進めましょう。

患者さんやご家族からよく受ける相談

日々の生活の中で、これまで当たり前にできていたことに少しずつ変化が生じ、「この先、生活をどう整えていけばいいのだろう」と不安を感じることでしょう。
食事やトイレなど、日常生活の基本的な動作に支障を感じ始めたとき、どこまでを自分で続け、どこから支援を受けるのか、その判断に迷われる方は少なくありません

患者さんからは、「食事のとき、どんなスプーンを使えばいいですか」「買い物がだんだん負担に感じるようになってきました」といった、具体的で切実な相談が多く寄せられます。

こうした日常の困りごとも、介護保険や障害者総合支援法のサービス、訪問看護などを組み合わせて利用することで、安心して生活を続けられることがあります。

また、「通院が大変」「外出や旅行は難しいのではないか」といった、移動に関する相談も聞かれます。
体調や生活の状況、ご家族の支援体制を確認しながら、主治医や訪問看護師、訪問リハビリのセラピスト、ケアマネジャー、ヘルパーなどと一緒に計画を立て、外出や旅行をしている方がいます。

4.社会生活(就労・経済)をサポート

 

①就業が困難なとき(働けない・働く見込みが立たない/継続が難しい場合)

病気や体調の変化により、これまで通り働くことが難しくなる場合があります。
そのようなときには、収入や生活を支えるための制度や保障を利用できることがあります。
状況に応じて利用できる制度は異なるため、早めに情報を知り、相談につなげることが大切です。

●傷病手当金
病気やけがのために仕事を休み、給与の支払いが受けられない場合に、一定期間、生活を支えるための給付を受けられる制度です。
会社員など、健康保険に加入している方が対象です。
休職中の収入の不安を軽減するため、まず確認したい制度の一つです。

●長期休業・退職時の保障
企業によっては、長期休業中の補償制度や、退職後に一定期間の保障が設けられている場合があります。
内容は勤務先や加入している制度によって異なるため、人事担当者や加入している保険制度の窓口に確認してみましょう。

●障害年金
病気や障害により、日常生活や仕事に制限が生じた場合に、年金として給付を受けられる制度です。
就労の有無にかかわらず申請できる場合があり、長期的な生活を考えるうえで重要な支えとなることがあります。

●生活保護
収入や資産だけでは生活を維持することが難しい場合に、最低限の生活を保障するための制度です。
医療費の負担軽減を含め、生活全体を支える仕組みが用意されています。
利用にあたっては、市区町村の窓口で相談を行います。

●生命保険
加入している生命保険の内容によっては、就業が困難になった場合や入院・療養時に給付金を受け取れることがあります。
制度とは別に、民間保険として利用できる保障がないか、契約内容を一度確認してみることも大切です。

※どの制度が利用できるかは、就業状況や収入、加入している制度によって異なります。
迷ったときは、主治医やソーシャルワーカー、市区町村の相談窓口に相談してみましょう。

②離職・求職しているとき(仕事を退職し、就職活動を行って次を探している場合)

体調や治療の都合で仕事を離れ、次の働き方を検討している場合には、一定期間の生活を支える制度を利用できることがあります。

●雇用保険(基本手当/いわゆる失業手当)
雇用保険に加入していた方が、離職後に再就職を目指す場合、一定の条件を満たすことで給付を受けられる制度です。
給付の可否や期間、金額は、離職理由や年齢、加入期間などによって異なります。

体調や通院の状況について配慮を受けられる場合もあるため、早めにハローワークで相談することが大切です。

③生活や仕事が制限されているとき(就業は継続しているが、部分的な制限がある場合)

働き続けている場合でも、症状や体調の変化により、生活や仕事にさまざまな制限が生じることがあります。
そのようなときには、日常生活の負担を軽減するための支援制度があります。

●税金の控除
障害者手帳を持っている場合などには、所得税や住民税の控除を受けられることがあります。
控除の内容や条件は、障害の程度や所得状況によって異なります。

●交通運賃の割引
公共交通機関では、障害者手帳の提示により、運賃の割引を受けられる場合があります。
割引の有無や内容は、交通機関ごとに異なります。

●各種手当
お住まいの市区町村によっては、障害のある方やそのご家族を対象とした手当や助成制度が設けられている場合があります。
内容や支給条件は地域ごとに異なるため、お住まいの市区町村の窓口で確認してみましょう。

※利用できる制度は、就業状況や障害の程度、お住まいの市区町村によって異なります。

就労に関する相談
難病の方の就労に関する問い合わせ先
ハローワーク(公共職業安定所)(就職相談、求人情報、難病患者就職サポーターへの相談)
障害者就業・生活支援センター(就労と生活の一体的な相談支援)
相談支援事業所(福祉サービスを利用した就労や訓練の場合)
難病相談支援センター(難病に関する療養・生活・就労の相談の場合)
産業保健総合支援センター(治療と仕事の両立に関する相談)
医療機関の両立支援コーディネーター(主治医と連携しながら、治療と仕事の両立に関する相談や職場との調整支援)

④障害の状態に応じて利用できる制度

心身の状態や障害の程度に応じて、生活の負担を軽減するための制度や手当を利用できる場合があります。
利用できる制度は、障害の内容や程度、年齢などによって異なります。

●障害者手帳
心身に障害のある方に交付される手帳で、障害の程度に応じた等級が定められています。
手帳を持つことで、医療費助成や税金の控除、交通機関の割引など、さまざまな支援を受けられることがあります。

●特別障害者手当
心身に重度の障害があり、日常生活において常に特別な配慮や介助が必要な方を対象とした手当です。
支給の可否は、障害の状態や所得状況などをもとに判断されます。

●重度心身障害者手当など
お住まいの市区町村によっては、重度の障害がある方を対象に、独自の手当や助成制度を設けている場合があります。
内容や支給条件は地域ごとに異なるため、お住まいの市区町村の窓口で確認してみましょう。

※どの制度が利用できるかは、障害の状態やお住まいの地域によって異なります。
迷ったときは、主治医やソーシャルワーカー、市区町村の相談窓口に相談してください。

患者さんご家族からよく受ける相談

最も多く寄せられる相談の一つが「仕事を続けられるのか」「もう辞めた方がいいのか」という悩みです。
実際には、辞める前に相談できる選択肢があることを知らないまま、退職を決断してしまう方も少なくありません。

まず、「今すぐ辞める必要があるのか」「休職という形は取れないのか」「制度を使うなら、いつから動くのがよいのか」といった点を一緒に整理します。
傷病手当金や休職制度などは、タイミングによって使える・使えないが分かれるため、早い段階での相談が大切です

また、働き続けることを考える場合には、職場との関係も重要になります。
仕事内容の調整や勤務時間への配慮などを、どのように会社に伝えればよいのか分からず、自分ひとりで会社と向き合おうとして悩んでしまう方も少なくありません

こうしたときには、医療機関の医療ソーシャルワーカーや両立支援コーディネーター、難病相談支援センター、ハローワークに配置されている難病患者就職サポーターなど、病気と仕事の両立を支援する窓口に相談することができます
辞めるか続けるかを決める前に相談することで、選択肢が広がることもあります。

仕事や社会との関わりは、生活に直結する大切なテーマです。
一つの答えを急いで決める前に、状況を整理しながら相談することで、選択肢が広がることもあります。